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初の長編で更新が停滞しつつも、どうにか師父スカ小説『激情を越えて』を完結させることができました。ここで、この小説を書き終えた今思うことをつらつらと書いてみたいと思います。お付き合いくださる方は、つづきからどうぞ。
この小説を書こうと思ったきっかけは、「ウィンリィとの出会いで自分の罪と誤りに気付いたスカーさんが、どうやって立ち直り、『逆転の錬成陣』作戦のために動き出したんだろう」という疑問でした。スカーさんにとっては一番大事な部分ですが、残念ながら、原作では一切描かれていません。でも、やっぱりスカーさんが立ち直るには師父の存在が不可欠だったし、作戦を始めるにはまず師父のもとを訪れたはず。そう思って、この話を書き始めました。
最初は師父スカだけのイメージでしたが、書いているうちに書きたいことがどんどん膨らんでしまいました。武僧修行時代、内乱勃発、故郷を踏みにじるアメストリスへの怒り……。幼いころからずっと見守っていたであろう師父は、そんな弟子の成長と変化をどのように見守っていたのだろう。復讐という罪を自覚し、自分のもとに戻ってきた弟子に、何と声をかけるのだろう。
師父だけじゃない。医者でありながら殲滅戦という殺戮に加担し、暗い過去と向き合いながら必死で償いの道を探すマルコーさん。その真摯な姿勢も、スカーさんの心を強く動かし、やがて2人は同志となっていきます。そのマルコーさんが師父と出会ったときに自らの過去をどう語るのか。そして、マルコーさんとスカーさんの出会いを見て、師父は何を思うのか。
それに、原作で重傷を負ったスカーさんを助けたスラムの坊や(リック)。原作にはほとんど出てこないので(それは師父も同じか!)ほぼ捏造になってしまいましたが、原作を見る限り、スカーさんのことを慕っているようです。原作ではメイちゃんの純粋さに癒され、マイノリティとしての共感を持っていたスカーさんですが、リックと再会したら、自分を純粋に慕うリックの気持ちに触れて、少しでも打ち解けていたらいいな。
また、「連続殺人犯」であるスカーさんの生をここまで肯定することに、ためらいもありました。「自分はスカーさんが好きだという理由だけで、スカーさんの負の部分と向き合わず、『生きてほしい』と思っているだけではないか」と。でも、自らの罪と使命の狭間で葛藤する弟子を前に、師父が何を語るかと考えれば、答えは自ずと見えてくるような気がしました。「生きる」こと。見逃すわけでも許すわけでもなく、償いの生を貫徹すること。原作で「堪えねばならんのだよ」と言った師父なら、きっとこう言うはずです。
そんな風に思いを巡らせているうちに、物語はみるみる長く……。まとまりがなく、冗長になってしまった部分も多々ありますが、スカーさんと一緒に過去の傷をたどりながら、ゆっくりと前を向き、未来を見据えるまでの心の旅をしているようで、執筆はつらくも幸せなひと時でした。
師父スカやリック、マルコーさんと、鋼の中でも本当にマイナーなキャラクターばかりが登場する自己満足な小説ですが、読んでくださる方がいて本当にうれしかったです。最後にりましたが、お読みくださった皆さま、メッセージやツイッターで感想をお寄せくださった皆さま、本当にどうもありがとうございました。
Ms. Bad Girl
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プロの翻訳家を目指し、バベル翻訳大学院で文芸・映像翻訳を専攻中。
好きなもの・こと
●『鋼の錬金術師』のスカー
●洋楽 THE BEATLES、 QUEEN、 VAN HALEN、 DEF LEPPARD ANGRA、 NICKELBACK、 AVALANCH(スペインのメタルバンド)etc
●読書(マンガ含む)
本:Sherlock Holmes、浅田次郎、言語・翻訳関連の本
マンガ:『鋼の錬金術師』、『るろうに剣心』、『ぼのぼの』、手塚治虫
●剣道
●言葉・語学好き。洋楽の訳詞家・翻訳家志望。